ゲーム業界を目指したいけど、どんな問題があるんだろう?
くわしい状況が知りたいな・・・
ゲーム業界に転職を考えているあなたへ。
業界の華やかなイメージの裏には多くの課題が潜んでいることをご存じでしょうか?
国内市場の縮小、アーケードゲームの衰退、スマホゲームの短命化など、今や多くの企業やクリエイターが厳しい現実に直面しています。
この記事では、11年以上業界で働いた経験をもとに、これらの課題とその影響を具体的に解説します。
ゲーム業界に興味があるなら、今知っておくべき現実を理解し、将来のキャリアを見据えた行動を起こしましょう。
- ゲーム業界のリアルな課題
- 新人がすぐに辞めてしまう厳しい現実
- 海外へ仕事が流出しれいる現状と弊害
- 国内クリエイターがキャリア形成をするために必要なこと
ゲーム業界が直面するリアルな課題
ゲーム業界は日々進化し、さまざまな技術が進歩する一方で、いくつもの課題を抱えています。
国内市場の縮小やアーケードゲームの衰退、スマホゲームの盛衰など、多くのクリエイターや企業が直面する現実を詳しく解説します。
国内市場の縮小とその影響
日本のゲーム業界は、少子化や海外ゲームの急速な普及によって、国内市場が縮小し続けています。
かつては日本のゲームが世界市場をリードしていましたが、近年では、特にコンシューマーゲームにおいて、日本のシェアは海外企業に押されがちです。
少子化の影響もあり、国内の若年層のプレイヤー数が減少し、収益の主力であった日本市場は縮小傾向にあります。
国内市場の縮小により、海外市場を視野に入れたゲーム開発が必要になってきました。
また、これに伴い、国内企業は予算の確保が難しくなり、開発費用が大幅に削減されるケースが多くなっています。
その結果、限られた予算内で高品質なゲームを開発しなければならず、クリエイターたちは常にプレッシャーにさらされる状況にあります。
これらの問題は、後に解説するリテイクや長時間労働に繋がっているのが現状です。
アーケードゲームの衰退が進む理由
かつて日本のゲーム業界を代表する存在だったアーケードゲームは、現在大きな危機に直面しています。
- 少子化による子供プレイヤーの減少
- 消費税導入によるゲームセンターの利益減少
- 電気代高騰による経営費用増加
- 家庭用ゲーム機の普及
- 家庭用ゲーム機のオンラインゲームの一般化
特に、新型コロナウイルスの影響で人々が外出を控えるようになったことも、アーケードゲーム市場に致命的な打撃を与えました。
これにより、長年の歴史を持つゲームセンターが次々と閉店を余儀なくされ、ゲーム業界全体における存在感が大きく低下しています。
ここ数年でゲームセンターは減りました。今は収益の出しやすい、クレーンゲームを設置する店舗が多いですね。
また、技術革新により、家庭用ゲーム機やスマホゲームが進化し、手軽に高品質なゲームを楽しめる環境が整ったことで、アーケードゲームの魅力は相対的に薄れてきました。
高額な筐体の維持費や設置スペースにかかる賃料の問題も加わり、企業にとって利益を確保するのが難しい状況です。
スマホゲームの急成長とその衰退
スマホゲームは、一時期爆発的に成長し、課金型のビジネスモデルが新たな収益源として注目されました。
スマートフォンが普及することで、誰もが手軽にゲームをプレイできる環境が整い、数多くのスマホゲームがリリースされました。
しかし、近年では競争が激化し、ヒット作を生み出すのが難しくなってきています。
多くのスマホゲームは、リリースから1年以内にサービスを終了するケースが増えており、短命であることが特徴となっています。
これは、プレイヤーの飽きやすさや、次々と登場する新作ゲームに移行してしまうことが原因です。
スマホに限らず、基本無料ゲームは短命が多い。開発費が取り戻せないケースもあります。
さらに、課金ユーザーが減少していることも業界全体の収益に大きな影響を与えています。
課金システムの多様化やユーザーを引きつける新たな仕組みを作ることが求められています。
ゲーム開発における予算とクオリティのギャップ
ゲーム業界において、開発予算と求められるクオリティのギャップが大きな課題となっています。
特に、限られた予算でどのように高いクオリティを維持するかが、現場では大きな問題です。
このセクションでは、低予算の現実と、それに伴うリテイクの連鎖による問題を解説します。
低予算ゲーム開発の現状
近年、ゲーム開発に割ける予算が減少している中、限られた予算で開発を進めなければならないプロジェクトが増えています。
特に日本国内のゲーム市場では、スマートフォンゲームの成長が一段落したこともあり、企業が開発に割ける資金が限られてきました。
その結果、多くの開発チームが少人数で、また短期間で高品質なゲームを制作しなければならないというプレッシャーにさらされています。
ゲーム業界において、低予算でも一定のクオリティを求められる現状が続いており、この状況下で成功するためには、効率的な開発プロセスや優れたクリエイティブスキルが不可欠です。
この問題は、高いスキルを持ったクリエイターしか採用されない、ゲーム業界の就職難易度の高さにつながってきます。
ゲームエンジンや既存の技術を最大限に活用することが一部の解決策となっていますが、すべてのプロジェクトで成功しているわけではありません。
繰り返されるリテイクによる予算オーバー
リテイクが頻発する現場では、予算を超過するリスクが常に存在しています。
ゲーム開発では、クライアントや上層部からのフィードバックにより、何度も修正が求められることが一般的です。
特に、大規模なプロジェクトやクオリティが厳しく問われるプロジェクトでは、リテイクが繰り返されることが多く、これが予算オーバーの主な原因の一つです。
リテイクが続くことで、開発チームは予定していた工程に追いつかなくなり、納期が迫る中での残業や休日出勤が増加します。
これは「長時間労働」とも密接に関連しており、クリエイターたちのストレスや疲労が蓄積される原因にもなっています。
予算が限られている中、いかにしてリテイクを最小限に抑え、開発スケジュールを守るかが、ゲーム開発における重要な課題です。
このような状況を改善するためには、初期段階での詳細な仕様書の作成や、開発チームとクライアントとの密接なコミュニケーションが重要です。
また、リテイクが発生する原因を特定し、作業フローを見直すことで、リテイクの回数を減らすことが求められています。
会社の利益はもちろん、社員のモチベーションにも気を配れるリーダーが必要です!
新人教育の課題とクリエイターの定着率
ゲーム業界において、クリエイターの育成と定着率の低さは深刻な課題です。
多くの企業は、新人を十分に教育するリソースが不足しているため、現場ではOJTが中心となり、効果的な育成が難しい状況にあります。
さらに、新人クリエイターが短期間で退職することが多く、業界全体での人材の定着が大きな課題です。
OJTとは(ここをクリック)
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング):従業員が実際の業務を通じて仕事を学ぶ教育方法。本来、先輩社員や上司の指導を受けながら、実際の仕事をこなしつつスキルや知識を習得していくことだが、ゲーム業界ではいきなり実践投入させられることもある。
OJT頼みの新人教育
多くのゲーム開発現場では、既存のクリエイターが新人にマンツーマンで指導する余裕がなく、OJTに頼るケースがほとんどです。
OJTは、実際の業務を通じて学ぶため、即戦力としての成長が期待される一方で、クリエイターたちが日々の業務に追われる中で新人を指導する時間が十分に確保できません。
その結果、十分なフォローアップや基礎スキルの習得が疎かになることがあります。
自分で成長しろ!スタンス。今でもありますよ。。。
また、新人は簡単なタスクから始めることが多いですが、リテイクが頻発し、納期に追われるため、最終的には既存のクリエイターが修正作業を引き受けることが多くなります。
こうした状況が続くと、新人は達成感を得る機会が少なくなり、モチベーションを保つことが難しくなります。
特に、指導が行き届かないまま複雑な業務に直面する場合、業務に対する自信を喪失し、早期退職に繋がるケースが見られます。
実際に、仕事を振られた後、ほったらかしにされる新人もいます。
新人クリエイターの早期退職が増える理由
ゲーム業界では、新人クリエイターが長期間働かずに辞めてしまう問題が増えています。
多くの場合、6か月から2年以内に退職するケースが多いです。
この背景には、いくつかの理由が挙げられます。
教育方法が限界に達している
一つ目は、OJTによる教育方法が限界に達しており、新人が自らの成長を実感できない環境です。
指導が不十分であるため、業務を完了させる達成感を得られず、やりがいを感じにくい状況が続きます。
また、OJTでは基礎スキルが身につくまで時間がかかるため、新人が自信を持てる段階に達する前に、現場での厳しい環境に疲弊してしまうこともあります。
自信が持てず、ゲーム業界を去っていく新人を数多く見てきました・・・
過酷な労働環境
二つ目は、業界全体における過酷な労働環境です。
長時間労働や休日出勤が常態化している現場が多く、精神的・肉体的な負担が大きいことが、早期退職に繋がっています。
新人が業務に追われる中で、十分なサポートが得られず、自分のキャリアに疑問を抱くことが多くなっています。
長時間労働で、肉体的にも精神的にも耐えられなくなった人が多いです。周りがしっかりサポートできる体制を取らなければいけません。。。
評価体制不足
三つ目は、スキル習得に伴う評価体制の不足です。
新人が少しずつスキルを身につけても、それが報酬や評価に結びつかないケースが多く、モチベーションの低下を招いています。
新人クリエイターは、自分の努力が報われないと感じ、より評価される職場や業界への転職を考えることが増えています。
評価が曖昧な会社は多い。給料も上がらないから、余計にモチベーション下がりますよね。
サポートしもらえない環境で働き続けることは不可能です。
企業側もどうにかしたいところではありますが、あまりにも余裕が無いことで起こる問題です。
海外に流出していく仕事
ゲーム業界において、国内クリエイターは今、グローバルな競争に直面しています。
特に、中国をはじめとする海外のゲーム企業が日本市場に進出している現状は、国内クリエイターにとって大きな課題です。
ここでは、中国企業が日本市場に進出する理由と、賃金の安い海外クリエイターに仕事を奪われる現実について説明します。
中国のゲーム開発会社に起こっている問題
近年、ゲーム業界において中国のゲーム開発企業が日本市場での仕事を受注したがる傾向が強まっています。
この背景には、中国国内におけるゲーム業界の構造的な問題があります。
中国の大手企業は、プロジェクトを外部の開発会社に依頼する際、クリエイターを自社に派遣させる契約を結ぶことが多いです。
そこで、優秀なクリエイターはしばしば大手企業に買収され、開発会社の人材が流出してしまう状況が続いています。
また、大手企業から急な仕様変更や追加要望が発生しても、追加予算が支払われないケースもあるとのこと。
開発費が支払われないまま、契約打ち切りにされてしまうこともあり、こうした不安定なビジネス環境が、中国のゲーム開発会社に大きな負担を強いています。
中国のとある開発会社の方から、実際に聞いた話です。
中国企業が日本のゲーム開発に進出したいと考える理由
中国国内で起こっている問題により、中国のゲーム開発会社は日本の企業と取引することに強い関心を持っています。
- 日本の企業は、開発資料がしっかり整備されている
- フィードバックが明確に指示される
- 仕様変更や追加作業に関して、追加予算の相談ができる
- 最悪、プロジェクトが停止になっても、それまでの開発費を支払ってくれる
- クリエイターを買収される不安が無い
このように、中国の開発会社にとってリスクの少ない取引ができる日本の企業は、非常に魅力的です。
日本の企業は、仕様変更や追加作業が発生しても柔軟に対応し、必要な場合は適切な予算措置を講じるため、信頼性が高いと評価されています。
これが、多くの中国企業が日本の企業と取引したがる理由です。
こうして中国の会社に、ゲーム開発の仕事が流出していっています。
海外クリエイターに仕事が流れる現実
もう一つの大きな問題として、海外のクリエイターに仕事が流れている現実があります。
特に、中国や東南アジアの国々では、賃金が日本よりも低い地域があるため、企業にとってはコストを抑えながらゲーム開発を進めることができるメリットがあります。
このため、国内の開発案件がこれらの国々にアウトソーシングされるケースがとても増えました。
賃金の安い海外クリエイターに仕事が流出することで、国内のクリエイターが従事する仕事が減少し、特に若手や中堅のクリエイターが職を失うリスクが高まっています。
日本国内だけで完結するゲーム開発は、とても少なくなっています。
また、この状況は国内でのクリエイターの給与水準が上がらない原因にもなっています。
クリエイターのスキルが高くても、企業が安価な海外リソースを選択することで、国内クリエイターの育成や活躍の場が縮小してしまうのです。
こうした現状を打破するためには、国内クリエイターはより専門性を高め、海外のクリエイターとの差別化を図ることが求められます。
国内のゲーム会社で長く勤めていても、給料がなかなか上がらない原因の一つになっていますね。
ゲーム業界の働き方の2大課題:長時間労働と昇給の難しさ
ゲーム業界では、過酷な労働環境が依然として大きな問題です。
特に長時間労働や休日出勤が常態化しており、クリエイターたちの心身に多大な影響を与えています。
このセクションでは、働き方に関する課題について詳しく解説します。
長時間労働がもたらすストレスの増加
ゲーム開発の現場では、リテイクが繰り返されることで予算オーバーが発生し、結果として開発スケジュールに遅れが生じます。
この遅れを埋めるために、クリエイターたちは頻繁に残業や休日出勤を強いられています。
限られた予算の中で高いクオリティを維持する必要があり、そのプレッシャーが日々のストレスを増加させる原因となっています。
特に、プロジェクトの終盤になると納期が迫る中で、従業員に過剰な負担がかかる傾向が強まります。
この過酷な労働環境は、クリエイターたちの疲労やモチベーション低下につながり、最終的にはバーンアウト(やる気を失う症状)を引き起こすリスクもあります。
昔に比べれば改善されてきていますが、労働環境が良くないところは、まだまだあります。
>>ゲーム業界の残業が多い理由を、こちらの記事で解説しています。
クリエイターの給料が上がらない現状
一部の高スキルクリエイターを除き、ゲーム業界では多くのクリエイターの給与が低く抑えられているのが現状です。
特に新人や中堅のクリエイターは、給与が上がりにくい状況にあります。
これには、予算の制約や業界全体の利益率の低下が影響しています。
加えて、企業側が高スキルなクリエイターを抱え込む一方で、その他の従業員に対しては報酬が上がりにくい構造があることも問題の一因です。
この結果、キャリアアップを望むクリエイターが他社に転職を考えることが多くなり、業界全体での人材流動性が高まっています。
給料を上げるなら転職!と言われている原因です。
>>ゲーム業界の給料が安い原因と給料アップする方法は、こちらの記事で紹介しています。チェックしてください。
クリエイターのキャリア形成に必要なこと
ゲーム業界でのキャリアを成功させるためには、クリエイティブスキルだけでなく、プロジェクトをマネージメントする能力や、業界の動向に柔軟に対応できる戦略が求められます。
このセクションでは、キャリア形成に必要なスキルと戦略について解説します。
マネージメントスキルの習得が必要
ゲーム業界で給料を上げ、安定したキャリアを築くためには、単にクリエイティブなスキルだけでなく、マネージメントスキルの習得が不可欠です。
プロジェクト全体を俯瞰し、リソースや予算、スケジュールを適切に管理できる能力が、クリエイターの次なるステップとなります。
特に、リーダーシップを発揮できる人材や、プロジェクトマネージャーとしての役割を担えるスキルがあれば、企業内での評価が上がり、給与にも反映される可能性が高まります。
多くの企業がプロジェクト全体を管理できる人材を求めており、クリエイターとしての技術に加えて、マネージメントの知識を習得することが重要です。
国内企業で成功していくには、クリエイティブスキルと、マネージメントスキルを持つことが大事。そういった人材しか生き残れないと言っても過言ではありません。
キャリア形成に役立つ転職エージェントの活用
ゲーム業界でのキャリアを成功させるために、ゲーム業界専門の転職エージェントを活用することは非常に有効な手段です。
ゲーム業界に特化した転職エージェントは、業界の内情や企業ごとのニーズに詳しいため、クリエイターが自分に合ったポジションを見つけやすくなります。
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