これからゲーム業界を目指す方、いまゲーム業界で働いている方は、ゲーム会社がどれぐらい残業しているか気になりませんか?
ゲーム業界は、プログラマーやデザイナー、プランナー、ディレクターといったゲーム制作に携わる人々が多くの時間を割いてゲームを作り上げています。
しかし、ゲーム制作の現場は残業が多いという問題があります。
一体全体、どの程度の残業が存在し、その原因は何なのでしょうか?
記事内で、業界全体の残業時間とその原因を紹介。また現状のゲーム業界の労働環境がどう変化しているか紹介しますので、ゲーム業界を目指している方は参考にしてください。
ガメの会社の実例も紹介しますね。
ゲーム会社の平均残業時間
ゲーム業界は世界中の人々の心を掴む様々な作品を生み出し、その中で多くのプログラマーやデザイナー、プランナー、ディレクターたちが懸命に仕事に取り組んでいます。
しかし、その背後には深刻な残業問題が存在します。
ここでは、残業時間とその原因を紹介します。
社会全体の平均残業時間
2022年にdodaが調査した結果を紹介しながら解説します。
一般社会全体では、2019年当時に比べ2022年は残業時間が2時間程度少なくなっている結果でした。
平均残業時間 | 全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|---|
2022年 | 22.2 | 18.3 | 23.3 | 23.1 | 22.5 |
2021年 | 20.8 | 16.8 | 21.7 | 22.2 | 20.8 |
2020年 | 20.6 | 17.5 | 20.3 | 22.4 | 21.7 |
2019年 | 24.9 | 22.0 | 25.2 | 26.2 | 24.2 |
2020年から残業時間が急激に減った背景には、コロナ禍の影響が考えられます。(コロナは2019年12月に最初の感染者報道がありました。)
それ以降、プロジェクトの進行が滞ったり在宅勤務の拡大、仕事の仕方を見直す流れが加速しました。
ただし、これらの数字はあくまで一般的な傾向であり、個々の企業やプロジェクトによって異なる場合があります。
コロナ禍以降、在宅勤務が増えた一方、隠れ残業問題は別にあります。
ゲーム業界全体の一般的な残業時間
2018年にdodaが行った残業時間の調査結果では、ゲーム業界まとめての結果ではありますが、45.3時間で1位を獲得してしまいました。
現在、ゲーム業界の一般的な残業時間は月平均20時間以上と言われます。
また、2022年にdodaが調査した結果では、ゲームクリエイターの平均残業時間は28.1時間でした。
一日当たりにすると、1時間~2時間程度の目安ですね。
単純な比較は難しいですが、全体的に残業時間は減ってきていると考えてよいでしょう。
ガメの会社も、労働基準法順守のため、残業時間の監視が厳しくなったよ。10年前と比べたら、残業時間は半分以下になってます。
しかし、会社やプロジェクトの状況によって増減するため、一概に20時間とは言い切れません。
特にリリース前のピーク時には、月40時間~100時間以上の残業になるこがあります。
長時間労働が常態化している会社もあり、人によっては月100時間を超える残業をしている人もいるのが現実です。
ガメの会社にも残業100時間を超える人がいました。会社から注意されましたけどね。最近は36協定もあって、残業の管理は厳しくなりました。
残業時間の実例
ガメ(筆者)の会社の月平均残業時間の実例を紹介します。
時期やプロジェクト、会社によって違いがあるので、あくまで参考例としてご覧ください。
職種 | 通常時 | マスターアップ付近 |
---|---|---|
ディレクター | 平均20時間 1日1時間程度 | 80時間 毎日終電&休日出勤あり マスターアップ直前など徹夜あり |
プログラマー | 平均40時間 1日2時間程度 | 100時間超え 毎日終電&徹夜あり |
デザイナー | 平均40時間 1日2時間程度 | 80時間 毎日終電&休日出勤あり |
プランナー | 平均30時間 1日1時間~2時間程度 | 60時間 1日3時間程度&休日出勤あり |
これでも昔に比べれば良くなった方だよ。一番ひどかったのは、3か月間休みなしの100連勤でした。
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ゲーム会社の残業が多い原因
ゲーム会社で残業が多い原因は主に3つ。
- プロジェクト管理の問題
- リソース不足の問題
- デッドライン前の作業急増の問題
これらの原因は、ゲーム会社であれば必ずと言っていいほど起こる問題です。
プロジェクト管理の問題
ゲーム開発は非常に複雑で、膨大な数のタスクをこなす必要があります。
プロジェクト管理が不十分だと、期間内に全ての作業を終わらせるためには避けて通れない労働時間の増加となります。
つねに制作進行状況を監視し、問題解決や毎日のようにスケジュール調整を行う専属の人が必要。ゲーム開発はとても難しい仕事なのです。
ヤバいと感じたら即行動。これができるディレクターやリーダーがいないと、必ず残業が増えることになります。
リソース不足の問題
リソース不足は、ゲーム会社の残業が多い原因の一つです。
スキルレベルが達している適切な人材を確保できていない場合や、専門技術を持つスタッフが不足している場合、既存のスタッフがその負担を背負う形となります。
人数を集めて一人一人の負担を減らしても、それを管理するリーダーやディレクターの負担は逆に増えていきます。
ゲーム開発には、スキルと経験を持った人材が求められるのは、こういったところから来ています。
簡単な量産物ならいいけど、クオリティが求められる部分に人員を投入しすぎると、管理コストが高くなりすぎてダメですね。
デッドライン前の作業急増の問題
デッドライン前に作業量が急増するのはゲーム開発の特性上、避けて通れない問題です。
また、十分な下準備がなされていない場合、残業が必然的に増えてしまいます。
特に、クライアントからのダメ出しやバグ修正がギリギリまで続くことは普通にあり、仕事を受託している会社は残業や休日出勤で対応するしかない状況があります。
ゲーム業界あるあるでクライアントから言われる一言。
「納品は、月曜の朝までなら大丈夫ですよ」
これ言われたとき、???ってなります・・・
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残業が多い会社と少ない会社の比較
残業が多い会社と少ない会社を比較すると、このような差が影響していることがわかります。
- プロジェクトのスケジューリング
- マネジメントのテクニック
- リソース管理
- 社員の福利厚生
- 管理レベル
残業時間の長さは、主に管理レベルの高さに左右されやすいです。
また、残業が多い会社と少ない会社は、以下のような差があります。
残業が少ない会社 | 残業が多い会社 |
---|---|
決定権を持った人が、明確なクオリティラインを提示する。 | 決定権を持った人が、クオリティラインを提示せず、曖昧な指示を出す。 |
作業指示が早く的確で、細かなチェック体制が決められている。 | 現場に判断をゆだねる。現場のメンバーが悩みながら開発を進める。 |
管理者の責任範囲が明確。必要な管理に集中できる。 | 管理者の責任の範囲が曖昧。そこまで管理必要だったの?といった、後手に回ることがある。 |
人員に余裕をもった開発をしている。 | ギリギリの人員で開発をしている。 |
ヤバいと思ったら即問題解決しようとする開発スタンス。 | ヤバいと思っても、現状でどうにか回避しようとする開発スタンス。 |
スキルアップするための社員教育制度が整っている。 | スキルアップの時間が取れないほど、一人一人の負担が大きい業務をしている。 |
上司が早く帰る。 | 上司が遅くまで残っている。 |
ガメが現場で感じたことを書いています。
決定権を持ったディレクターやプロデューサーが、早く的確な判断を下す会社は開発がスムーズに進み、残業時間も短くなります。
また、ワークライフバランスを重視した会社では一般的に残業が少なく、社員の満足度やモチベーションも高くなる傾向が強いです。
逆に、現場に判断をゆだねたり、現場のメンバーが悩みながら開発を進める会社は残業が増える傾向にあります。
また、上司が遅くまで残っている会社は社員もプレッシャーを感じ、遅くまで残る傾向があります。
ガメの上司も終電まで帰らない人でした。
このほか、スマホアプリなどの運営型のゲームは、定常的にイベントがあるため業務が多くなります。そのため、残業が増えてしまいます。
会社の文化だけでなく、開発しているプロジェクトや納期のサイクルなども残業発生の影響が大きい要因ですね。
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ゲーム会社の残業を減らすための解決案
ここで書いたことが実現できれば残業を減らすことができます。
ただし、会社の方針や予算、プロジェクトの状況により困難なこともあるので参考としてご覧ください。
効率的なプロジェクト管理
プロジェクト管理ができていないと、確実に進行が遅れていきます。
結果、残業が増える一方なので、効率よく開発する仕組みを導入しましょう。
アジャイル開発の導入
ゲーム開発にアジャイル開発を導入することで、作業を柔軟に進めつつ品質と生産性を両立させることが可能になります。
作業の見える化にもつながり、より効率的なプロジェクト管理が可能となります。
ただし、アジャイル開発だけやってるとゴールにたどり着けないことがある。ウォーターフォールと組み合わせて活用しよう。
作業の見える化
作業の見える化は、効率的なプロジェクト管理には欠かせません。
個々のタスクだけでなく全体像を把握することで、問題を早期に発見し解決することが可能となり、結果的に残業時間の削減につながります。
ホワイトボードに付箋を貼ると見やすいよね。やることが多すぎて全部は無理だけど、部分的にでも導入すると間違いなく効果あります!
リソースの適切な配分
適切なリソース配分(人員配置)ができていないと、あるポジションは残業、あるポジションは手が空く人がでたりします。
どこにどういった人員が、いつからいつまで必要かを明確にするのがポイントです。
リソース管理の改善
リソースの適切な配分は、タスクを効率よく進めることに直結します。
立案段階から最終段階まで、人材配分を計画的に行うことで、残業を減らすことができます。
コミュニケーションの改善
プロジェクト進行にあたっては、スタッフ間のコミュニケーションの質が重要です。
情報共有や理解度の確認を深めることで、ミスや作業の重複を防ぎ、労働時間を短縮することができます。
スタッフ同士のコミュニケーションは超大事。私語も含め、話しやすい環境を作っておくことが仕事のモチベーションにもつながります。
デッドライン前の残業を防ぐための手法
マスターアップ前でもデータ作成を行っていたり、ギリギリまでバグ修正をしていたり。
早い段階からスケジュールを立てて行動し、少しでも業務の負担を減らすことがポイントです。
作業スケジュールの早期立て
デッドライン前の作業急増を防ぐためには、プロジェクトの初期段階で詳細な作業スケジュールを立てることが重要です。
途中で仕様が変わることが、必ずと言っていいほど起こるのがゲーム開発。
そのときはすぐにスケジュール変更の相談ができる雰囲気を作っておきましょう。
スケジュールは変わって当たり前。大幅な変更があったときは、デッドライン変更の交渉しよう!でないと、みんな倒れます。
残業の法的な規制
残業の法的な規制もまた、残業問題の解決に繋がります。
労働時間の透明性を保ち、法令を遵守することで、社員の健康を守ることが可能となります。
従業員は会社の就業規定を必ず確認しておくこと。
規定が無い、残業させ放題な仕組みがあるなど、ヤバいと感じたら労働基準監督署に相談か、転職を検討しましょう。
まずは36協定が結ばれているかを確認してね!
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残業がないゲーム会社で働くことは可能なのか?
正直、残業がないゲーム会社が無いのが現状ではないでしょうか。
プロジェクトが滞りなく進行している間は残業が無くても、デッドライン前や仕様変更があったときは残業が発生する可能性が高くなります。
残業は絶対しません!という意思で働くこともできますし、決して間違った考えではありません。
しかし、クリエイティブなチーム開発において、輪が乱れる可能性は否めず、会社によっては煙たがられることもあると考えてよいでしょう。
何らかの事情で残業が不可能な方もいるのは事実。
そういった場合は、会社とチームのメンバーに残業ができないことをしっかり話をしておくことが重要です。
これからゲーム業界を目指す方の中でも、残業を嫌う方はいるでしょう。
しかし、ゲーム開発における残業発生は必ずあることを理解しておいてください。
もし、どうしても残業不可能でゲーム業界を目指すなら、働く時間を限定できる「派遣社員」として働くのも一つです。
派遣会社に相談の上、派遣先の会社とすり合わせをしてもらうことも可能ですので検討してください。
世界中見ても残業無しで完成したゲームは無いのでは?大手ゲーム会社でも遅くまで残業していることがあるのが現実です。
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ゲーム会社の労働時間改善の道筋:現状と改善策の全体像
残業問題はゲーム業界にとって深刻な課題ですが、これまでに述べたように、
- 効率的なプロジェクト管理
- リソースの適切な配分
- デッドライン前の作業急増の対策
などを通じて解決の道筋が見えてきます。
これからのゲーム業界が目指すべきは、社員の能力を最大限に発揮できる環境を作りつつ、長時間労働といった問題を改善することで、より良い作品を生み出していくことです。
それこそが、ゲーム会社が今後進むべき道筋と言えるでしょう。
残業は個人の力だけでは解決しにくい問題です。業界全体として見直す必要がある、とても大きな課題ですね。
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